AGAは自力で治せる?病院での治療法や自分でできるケアを紹介
2023.07.04

AGAは自力で治せる?病院での治療法や自分でできるケアを紹介

AGA治療は保険を使うことができず治療費が高いため、自分で治せるのか知りたいと思っている方もいるのではないでしょうか。

「抜け毛が増えてきたからAGAかもしれない」と思ったときは病院を受診することをおすすめします。まれに抜け毛の原因がAGAではない場合もあるため、AGAであると診断を受けるために病院を受診しましょう。

AGA治療で使われる飲み薬は医師の指示がないと処方できない処方箋医薬品です。国内で認可されている飲み薬による治療を受けるには、医療機関を受診しなければいけません。

AGAは進行性の病気であるため、セルフケアだけで進行を抑えるのは難しいでしょう。本記事ではAGAの治療方法や自分でできるケアについて紹介しますのでご参考ください。

目次

  1. AGAについて
  2. AGAは自力で治せる?
  3. AGAの治療は医療機関へ
  4. AGA治療は保険適用できる?
  5. AGAの治療プロセス
  6. AGAの治療法を解説
  7. 自宅でできるセルフケアを紹介
  8. まとめ

AGAについて

AGAは男性型脱毛症のことをいい、前頭部や頭頂部の髪の毛が細く短くなり薄毛になることが特徴的です。日本人男性の場合、20歳代後半から30歳代にかけて症状が出始めてゆっくりと進行します。

AGAの発症頻度は平均で約30%と報告されており、年齢とともにAGAを発症する確率は高くなっています。各年代による発症頻度は以下の通りです。

年代 AGA発症頻度
20代 約10%
30代 約20%
40代 約30%
50代以降 40数%

AGAは進行性の脱毛症であるため、治療をせず放置すると薄毛が進みます。男性の薄毛の原因は遺伝と男性ホルモンによる影響が大きいと報告されています。

ここでは、AGAの原因とメカニズムについて解説しますのでご参考にされてください。

AGAの原因

AGAの原因には遺伝と男性ホルモンが関与することが報告されています。遺伝的背景としてはX染色体上に存在する男性ホルモンレセプター遺伝子の異常や常染色体のある部位に疾患関連遺伝子の存在が知られています。

もう1つの原因は、男性ホルモンの1種であるジヒドロテストステロン(DHT)の関与です。ジヒドロテストステロンが関与してAGAを引き起こすメカニズムについては次で詳しく解説します。

AGAのメカニズム

前頭部や頭頂部などの髪の毛が作られる細胞に運ばれたテストステロンは5α還元酵素の働きによって、活性が高いジヒドロテストステロンへ変化し、男性ホルモン受容体にくっつきます。

ジヒドロテストステロンが結合した男性ホルモン受容体では脱毛因子を増やし、髪の毛を作る細胞が増殖するのを抑えます。その結果、髪の毛が成長しにくく、ヘアサイクルの成長期が短くなり、抜け毛が増え徐々に薄毛が進行します。前頭部や頭頂部に発症するのがAGAの特徴です。

AGAは自力で治せる?

AGAは進行性の病気であるため、自力で治すことは難しいでしょう。

睡眠不足や過度なダイエットなどの生活習慣が原因で薄毛の症状が出ているときは、生活習慣を改善することで薄毛が治る可能性もあるでしょう。しかし、AGAの場合は生活習慣の改善などでは治すことができませんし、病院受診を迷っている間も症状が進行します。

「抜け毛が増えた」「おでこが広くなってきた」と不安に感じたときは、早めに医療機関を受診しましょう。

AGAの治療は医療機関へ

AGAの治療は実績豊富な医療機関で受けることをおすすめします。AGA治療を受けるには、AGAと診断し、AGA治療薬を飲むことができるかを確認しなければいけません。

ここでは医療機関を受診し、治療を行った方がいい理由を詳しくご紹介します。

セルフチェックでは発症部位の確認が難しい

AGAの発症部位の1つは頭頂部であるため、セルフチェックで正確な発症部位を把握するのが難しくなっています。自分の判断で塗り薬などの治療を開始するよりも、クリニックで医師から客観的な診断を受けて治療を開始する方が安心して治療を受けることができるでしょう。

最適な治療方法を選択してもらえる

実績豊富な医療機関で治療を受けると、多くの治療実績があるため、最適な治療方法を選択してもらえます。

AGA治療の中心であるAGA治療薬は医師の処方箋が必要な処方箋医薬品です。そのため、医療機関を受診しないと処方してもらうことができません。海外からの輸入医薬品などからは偽造医薬品も発見されていますので、ご注意ください。

医療機関を受診し、国内で承認されている医薬品を服用して、AGA治療を受けることをおすすめします。

そもそもAGAかどうか確かめられる

薄毛や抜け毛の原因がAGAではないこともあります。円形脱毛症など他の原因で薄毛が起こっていることも考えられるため、医師のもとでAGAの診断を受けた方が良いでしょう。円形脱毛症などの病気の場合は、保険適用で治療を受けることができます。

AGA治療は保険適用できる?

AGA治療は保険適用がされない自由診療であるため、治療費は10割負担となり自己負担が高額になりやすくなっています。治療方法や医療機関によっても治療費は違いますが、月額約15,000〜30,000円が相場です。

「治療費が高額であれば医療費控除が使えるのでは?」と考える方もいるかもしれません。しかし、AGA治療費は医療費控除も対象外です。AGA治療は継続しなければいけないため、毎月どのくらい治療費がかかるのか事前に把握しておくとよいでしょう。

「AGA治療費は保険適用されず、高額だから治療を諦めよう」と思った方は、治療を継続できそうな医療機関を探してみてください。AGAは進行性の病気であるため、治療せずに放置すると症状が徐々に進みます。

早期に治療を開始・オンライン診療・ジェネリック医薬品を利用すると治療費を安く抑えられる可能性が高くなります。

AGAの治療プロセス

一般的なAGA治療は、「AGAの進行を抑えながら、発毛を促す」→「毛量が増えてきたら、進行を抑える薬のみにシフトして経過を観察」という流れが多くなっています。それぞれのプロセスを解説しますので、ご参考ください。

AGAの進行を抑える+発毛を促す

AGA治療の初期段階では、フィナステリドまたはデュタステリドの飲み薬でAGAの進行を抑えながら、塗り薬のミノキシジルで発毛を促します。塗り薬だけで発毛効果が得られない時は、注入療法や自毛植毛も提案されるかもしれません。

飲み薬で進行を抑えつつ、塗り薬などで発毛を促進することによって相乗効果が期待できます。

毛量が増えてきたら、徐々に進行を抑える薬のみにシフト

初期段階の治療によって髪の毛の量が増えてきたら、徐々に発毛効果のある治療を減らし、AGAの進行を抑える飲み薬だけへシフトします。髪の毛の量が増えたからといって、すぐに発毛を促す治療を中止すると抜け毛が増える可能性があるため、注意が必要です。

医師と相談しながら、ゆっくりと薬を減らしていかなければいけません。

AGAの治療法を解説

AGAの治療法には主に4つの方法があります。

  1. ミノキシジル
  2. フィナステリド・デュタステリド
  3. 注入療法
  4. 自毛植毛

ここでは4つの治療方法の効果・作用のしくみ・費用について詳しく解説しますので、ご参考ください。

ミノキシジル

ミノキシジルは塗り薬が第1類医薬品として国内で認可されています。ミノキシジルの飲み薬は国内だけでなく海外でもAGA治療薬としては認可されていません。

ミノキシジル塗り薬の効能効果は壮年性脱毛症における発毛・育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防です。進行予防だけでなく、発毛にも効果が認められています。毛包に直接作用して髪の毛を作る細胞を増やし、タンパク質の合成を進めて発毛作用を示します。

個人差がありますが、約4〜6カ月使用後に効果を感じる方が多いでしょう。6カ月使用しても効果が出ない場合は、医師へ相談してください。月額7,000〜10,000円が相場となります。

フィナステリド・デュタステリド

フィナステリドとデュタステリドは、どちらも厚生労働省が認可している処方箋医薬品です。処方箋医薬品とは医師の処方箋が必要な医薬品であるため、医師の指示なく薬を手に入れることはできません。

男性における男性型脱毛症の進行遅延に効能・効果が認められています。フィナステリドは2型5α還元酵素、デュタステリドは1型と2型5α還元酵素を阻害して、テストステロンからジヒドロテストステロン(DHT)へ変化するのを抑制します。

効果発現までには約3~6ヵ月かかり、効果を持続するためには継続服用しなければいけません。

薬代はフィナステリドが月額約3,000〜8,000円で、デュタステリドは月額約6,000〜12,000円が相場です。どちらの医薬品にもジェネリック医薬品が認可されているため、ジェネリック医薬品を選択すると費用を安く抑えることができます。

注入療法

注入療法は​​注射などにより有効成分を頭皮に直接注入する最先端の治療方法です。一般的に注入する薬剤が決まっていない注入療法がメソセラピー、注入する薬剤がAAPE(健常なドナーから採取した脂肪組織を培養し、細胞由来の成長因子などを凍結乾燥させた薬剤)と決まっている注入療法がHARG療法と呼ばれています。

注入療法は塗り薬や飲み薬と比べて早くから効果を実感できる可能性があります。メソセラピーは注入する薬剤によって費用が違いますが、HARG療法の相場は1回約40~60万円が相場で費用が高額です。

自毛植毛

自毛植毛は薬による治療で十分な改善がないときに勧められる治療方法です。AGAを発症しない後頭部などから毛包を採取して頭頂部などの脱毛部に自分の髪の毛を移植します。

移植した髪の毛は通常のヘアサイクルに組み込まれるため、効果を実感できるまでに約4カ月かかります。自毛植毛は自分の髪の毛を毛根ごと移植するため、移植が成功すれば髪が生え続けますが、費用が数十万円〜数百万円と高いのがデメリットの1つです。

自宅でできるセルフケアを紹介

頭皮や髪の健康には、日々の生活習慣も大切です。AGA治療と一緒にセルフケアを行うとAGAの進行を防ぎ、治療効果を維持できる可能性も期待できます。ここでは自宅でできるセルフケアをご紹介します。

  • タンパク質中心の食事
  • ストレス解消
  • 程度な運動
  • 十分な睡眠

それぞれ詳しく解説しますので、毎日の生活に取り入れてみてください。

タンパク質中心の食事

髪の毛の99%はタンパク質からできています。タンパク質が多く含まれている肉・魚・卵・大豆・乳製品などを積極的に食べましょう。しかし、腎臓の機能が悪いと言われている方は、タンパク質の摂りすぎに注意しなければいけません。

毎日の食事に取り入れて食べるのが理想的ですが、飲み会が多かったり、仕事が忙しかったりして難しいときはサプリメントなどを活用するのもおすすめです。

頭皮環境を悪化させる糖分や塩分、脂肪の摂りすぎに注意してください。

ストレス解消

過度なストレスは自律神経を乱し、頭皮や髪に悪影響を与えます。強いストレスを受けると、副交感神経の影響が強くなり血行不良を引き起こします。血液の流れが悪くなると、髪の毛まで栄養が行き届かず髪の毛が成長できません。

ストレスを多く受けると皮脂も多く分泌されるため、頭皮環境の悪化につながります。趣味やスポーツなどで上手にストレスを発散しましょう。

適度な運動

運動不足になると体が冷え、血行不良になりやすくなります。血行不良によって血液の流れが悪くなると、髪の毛の成長に必要な栄養素が届きにくく、薄毛を引き起こします。

適度な運動をすると血行が良くなり、AGAの予防へつながる可能性があるため、ウォーキングなど手軽に始めることができる運動を日常生活に取り入れてみましょう。

適度な運動はストレス発散にもおすすめです。

十分な睡眠

髪の毛の成長には成長ホルモンが関与しており、十分な睡眠は薄毛予防にも大切です。成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されるため、睡眠不足になると成長ホルモンの分泌が減少します。その結果、髪の毛が十分に成長できず、薄毛や抜け毛につながります。

成長ホルモンは深い眠りのノンレム睡眠中に分泌され、たくさん分泌される時間帯は22:00〜2:00です。仕事が忙しく残業があると22:00に寝るのは難しいかもしれませんが、今の睡眠時間を30分でも早くするなど少しでも早寝を心がけて、十分な睡眠を確保しましょう。

まとめ

AGAは進行する病気であるため、自力で治すことは難しいでしょう。病院を受診してAGAと診断されたときは、AGAの進行を抑える飲み薬を服用して治療をする方法が一般的です。

飲み薬のAGA治療薬は医師の指示が必要な薬であるため、自己判断で服用するのは危険です。海外からの個人輸入や医療機関以外で販売されているAGA治療薬の中には、偽造医薬品も見つかっています。

多くの治療実績があるクリニックを受診し、国内で認可されている医薬品を服用して治療を受けることをおすすめします。